わかりやすく解説します!飲食料品製造業の特定技能2号について

飲食料品製造業 特定技能2号

先月、一般社団法人外国人食品産業技能評価機構(OTAFF)より、特定技能2号になるための技能測定試験の詳細が公開されたことから弊社で支援している外国人の方たちから「私も2号試験を受験したい!」という問い合わせが増えてきました。

飲食料品製造業の特定技能2号になるための試験は第1回目が2024年3月29・30日に開催されます。合格率はどのくらいなのか等、まだまだ未知な部分が多い特定技能2号制度ですが、現時点で分かっていることをまとめてみました!

※情報は2024年3月11日時点でのものになります。
※弊社が各種資料や関係機関に問い合わせて確認したことを記載しています。より正確な情報をお知りになりたい場合は出入国在留管理庁・農林水産省・OTAFFへお問いわせください。

目次

特定技能1号と2号の違い

在留期間

特定技能1号:
4ヶ月か6ヶ月か1年ごとに更新をする必要があり上限は5年となります。

特定技能2号:
6ヶ月か1年か3年ごとに更新する必要はありますが、在留期間に上限は設けられていません。

家族帯同

特定技能1号:
基本的に家族の帯同が認められていません。

特定技能2号:
要件を満たすことで配偶者や子どもの帯同が認められます。

支援義務

特定技能1号:
受け入れ機関や登録支援機関による支援が義務付けられています。

特定技能2号:
支援の対象から除外されています。

支援義務とは?
事前ガイダンス、生活オリエンテーション、公的手続きへの同行、生活に必要な契約支援、相談・苦情への対応、定期的な面談 等が支援義務として定められています。

特定技能2号になるには

①特定技能2号技能測定試験に合格すること

試験科目 : 学科試験と実技試験の2科目
試験時間:70分
言語:日本語(漢字にルビはついていません)
実施方法:ペーパーテスト方式(マークシート)
合格基準:200点満点中65%以上

「飲食料品製造業特定技能2号技能測定試験 国内試験案内」より 


https://otaff1.jp/upload/howto_corp/13/insyoku_2gou_info.pdf

現在のところサンプル問題などは公開されていませんが、学習用テキストがJMAC食品産業コンサルティングのHPに掲載されています。

特定技能2号試験用の学習用テキストの掲載(飲食料品製造業分野) | 食品産業ビジネスを改革のプロがドライブ

株式会社日本能率協会コンサルティング(JMAC)は、農林水産省「令和4年度外国人材受入総合支援事業」によって、飲食料品製造業分野における特定技能2号技能測定試験の受…

試験の内容はOTAFF一般社団法人外国人食品産業技能評価機構 に公開されています。

飲食料品製造業 特定技能2号技能測定試験 学科

飲食料品製造業 特定技能2号技能測定試験 実技

②管理者相当の実務経験を2年以上積んでいること

特定技能2号になるには試験に合格するだけではなく、管理者相当の実務経験を2年以上積んでいる必要があります。

管理者相当の実務経験とは

「飲食料品製造分野において複数の作業員を指導しながら作業に従事し、工程を管理する者としての実務経験」を言います。

「複数の従業員を指導しながら作業に従事し」とは、2名以上の技能実習生、アルバイト従業員及び特定技能外国人等を指し、指導・監督を受ける者は日本人を含み、国籍は問いません。(中略)この場合の「指導する」とは、作業員に対し直接又は間接的に作業工程等について主導することを想定し、「工程を管理する者」とは、飲食料品製造業分野の対象業種や工場等の規模にもよりますが、事業所責任者(工場長等)が行う飲食料品製造業全般に関する管理業務を補助するものとし、例えば、担当部門長、ライン長、班長等のような役職を想定しています。


「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について」より
法務省・農林水産省編
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004544.pdf

この管理者相当の実務経験は複数の企業での経験を合算することも認められています。

実務経験の証明方法

なお、実務経験を客観的に証明するものとして、1号特定技能外国人を「工程を管理する者」として従事させる際は、客観的に証明する書類、例えば辞令や職務命令書等をもって、上記に例示した役職を命じ、業務に従事させてください。

「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について」より
法務省・農林水産省編
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004544.pdf

提出書類

「実務経験証明書・誓約書」を受験申込時に提出する必要があります。
書類はOTAFF一般社団法人外国人食品産業技能評価機構のHPからダウンロードできます。

>>実務経験証明書・誓約書ダウンロード

特定技能2号技能測定試験の受験申込方法

飲食料品製造業分野特定技能2号試験試験申込みは、当面、2号特定技能外国人を雇用しようとする企業からの手続きのみで、外国人本人が申し込むことはできません。

「OTAFF 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構」の企業マイページに登録して申込みを行います。

※登録の際に「2号 試験受験者のみを登録する企業である」のチェックボックスにチェックを入れ、 設定してください。システム上で設定すれば、登録料44,000円(税込)は請求さ れません。


「食品産業分野(飲食料品製造業分野及び外食産業分野)の特定技能2号に関するQ&A」より
農林水産省HP
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/soumu/attach/pdf/tokuteiginou-72.pdf

受験料:15,000円

特定技能2号技能測定試験のスケジュール

2024年度試験スケジュールは「OTAFF 一般社団法人外国人食品産業技能評価機構」のページで公開されています。

第1回 5月下旬〜6月中旬
第2回 10月頃
第3回 2025年1月頃

OTAFFホームページ


https://otaff1.jp/schedule/schedule_jp.pdf

特定技能2号の雇用について

特定技能2号の主たる業務

特定技能2号外国人にはどんな業務に従事してもらえるのでしょうか?

法務省・農林水産省が出している「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について」には下記のように記載がありました。

2号特定技能外国人は、熟練した技能を持って、上記飲食料品全般に関す る作業を自らの判断で適切に行うことが必要です。そのためには試験で立証された能力を生かし、またこれまで飲食料品製造業分野において複数の作業員を指導しながら自らも作業に関わり、トータルで管理できる能力が必要となります。その結果、主に飲食料品製造業全般に関する管理業務を中心に行い、従来の製造・加工及び安全衛生の確保に関する作業に従事することも差し支えありません。なお、2号特定技能外国人は、事業所責任者(工場長等)が行う飲食料品製造業全般に関する管理業務を補助することを前提に雇用していただくことになりますので、役職等を命じ、業務に従事させる必要があります。


「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -飲食料品製造業分野の基準について」より
法務省・農林水産省編
https://www.moj.go.jp/isa/content/930004544.pdf

特定技能2号の賃金は?

特定技能外国人の報酬の額は同等の業務に従事する日本人労働者の報酬の額と同等以上であること、が求められています。2号についてもその基準を満たす必要があると考えられます。

特定技能基準省令第1条
出入国管理及び難民認定法(以下「法」という。)第2条の5第1項の法務省令で定める基準
のうち雇用関係に関する事項に係るものは、労働基準法(昭和22年法律第49号)その他の
労働に関する法令の規定に適合していることのほか、次のとおりとする。
三 外国人に対する報酬の額が日本人が従事する場合の報酬の額と同等以上であること。
四 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用そ
の他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと。

「特定技能外国人受入れに関する運用要領」より
P.42 報酬等に関するもの 参照
出入国在留管理庁

https://www.moj.go.jp/isa/content/930004944.pdf

特定技能2号の受験を支援する?しない?

特定技能2号 今後の方針

飲食料品製造業で特定技能1号外国人を雇用している企業さんは、今後彼らに特定技能2号への受験を後押しするかしないのか方針を決めることが求められます。

当然、2号を受験したいと考えている特定技能1号外国人の方たちは勤め先が受験をさせてくれないと分かれば、受験をさせてくれる会社へと転職していくことが考えられます。

一方で多くの特定技能外国人を雇用している企業さんでは、希望するすべての外国人に2号受験資格となる「管理者相当の2年間の実務経験」をさせることは難しいでしょう。

そうなると企業さん側はどのような基準を満たした特定技能1号外国人に2号への道を後押しするのか、明確な指針を設けることが必要になってきます。今後特定技能2号を雇用するかしないかも含めて一度しっかりと検討することが求められています。

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